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時効と連帯保証

連帯保証人というのは、主たる債務者と連帯して債務を負担する人のことです。
また、主たる債務者(主債務者)というのは、借金で例えると、実際にお金を借りた本人のことです。

単なる「保証人」とは違って、「連帯保証人」の場合、貸金債務で言えば、主たる債務者と全く同等の立場で責任を負う、ということになります。

それでは、@時効の中断 A時効の援用のとき、連帯保証には、どのような影響があるのでしょうか。

時効の中断と連帯保証

主債務者が、裁判をおこされると

主債務者の時効は中断することになります。それと同時に連帯保証人の時効も中断されます。

主債務者が債権者に支払いをすると

支払いを何年か滞納している状態であっても、主債務者が債権者に支払いとすると、その時点で時効は中断することになり、同時に連帯保証人の時効も中断されることになります。

連帯保証人が、裁判をおこされると

連帯保証人の時効は中断することになります。同時に主債務者の時効も中断されることになります。

連帯保証人が債権者に支払いをすると

連帯保証人の時効は中断することになりますが、主債務者の時効は中断されず、時効期間の進行がそのまま続いていくことになります。

時効後の援用と連帯保証

主債務者が時効の援用をすると

主債務者が時効の援用をして、時効が完成すると、連帯保証人にもその効果が及びますので、連帯保証人の時効も完成されることになります。

連帯保証人が時効の援用をすると

連帯保証人は、主債務に関する時効の援用と、保証債務に関する時効の援用どちらもすることができます。
どちらの債務について時効を援用したとしても、連帯保証人は借金を支払う義務から、解放されることになります。
ただ、連帯保証人が、時効の援用をしたとしても、主債務者の時効が成立するわけではありません。

主債務者が債権者に返済すると

主債務者が返済をすることで、「時効を援用する権利」がなくなってしまい、主債務者の時効は、新たにスタートします。
しかし、連帯保証人の立場から主債務の時効の援用をすることができます。
これで主債務の時効が完成します。そして、主債務者の主債務の時効の成立によって、連帯保証人の保証債務が、消滅することになります。
(連帯債務は主債務の効果に従う性質があるため)

ただ、上記の注意点で、主債務者が債務の存在を認めた(返済した)場合、主債務者自身が、自分の時効の援用をするのは信義則上できないという判例があります。
このことから、主債務者が時効成立に必要な期間が過ぎているのに、債権者に返済してしまった場合には、者債務者が自分の時効の援用をすることはできませんが、連帯保証人が時効の援用をすることはできる、ということになります。

連帯保証人が債権者に支払いをすると

連帯保証人が持っていた「時効を援用する権利」がなくなってしまい、連帯保証人は新たに時効がスタートします。
ただ、主債務者が主債務の時効の援用をすると、主債務者の時効が成立します。そして、連帯保証人の保証債務には主債務に対する附従性がありますので、連帯保証人の保証債務も消滅することになります。

利害関係を有さない第三者による代位弁済

利害関係を有しない第三者の弁済

連帯保証人や物上保証人(不動産などの担保提供者のこと)など、「法律上の利害関係」を有する者からの弁済は、有効な弁済となり、時効の問題を生じます。

しかしながら、連帯保証人や物上保証人などの、「法律上の利害関係」の無い者による弁済は、例え、夫婦や親兄弟のように「事実上の利害関係」を有する場合であっても、債務者の意思に反して行なうことは出来ません。
(民法第474条2項)

民法第474条
(第三者の弁済)
債務の弁済は、第三者もすることができる。ただし、その債務の性質がこれを許さないとき、又は当事者が反対の意思を表示したときは、この限りでない。
 2項利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。

よって、知らないうちに、何らの支払義務のない配偶者や両親が代位弁済を行っていた、というような事情がある場合には、その代位弁済は「不当利得」ないし「錯誤無効による取消」となり得る余地があり、別途、あわせて、消滅時効の援用を行なえる可能性があります。

そのような事案に該当すると思われる場合、詳細に関しては、是非一度、ご相談なさって下さい。