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時効の期間

令和2年4月1日に施行された改正後民法により、同日以降に生じた債権につきましては、短期消滅時効が廃止となり、おおきく以下の3つにまとめられました。

(1)一般債権
債権者が権利を行使することができることを知った時から5年
(民法166条1項1号/主観的起算点)
権利を行使することができる時から10年
(民法166条1項2号/客観的起算点)

(2)不法行為債権
被害者等が損害及び加害者を知った時から3年
(民法724条1号/主観的起算点)
権利を行使することができる時から20年
(民法724条2号/客観的起算点)

(3)生命・身体の侵害による損害賠償請求権
被害者等が損害及び加害者を知った時から5年
(民法724条2号/主観的起算点)
権利を行使することができる時から20年
(民法167条/客観的起算点)


令和2年3月31日までに生じた債権の時効の期間

令和2年3月31日までに生じた債権については、旧民法168条〜174条、及び、商法その他の特別法により、様々な短期消滅時効の適用があります。


飲食店のつけ、ビデオ・CDなどレンタル料、
飲食費、宿泊費
1年
売掛金
給料、塾などの月謝
離婚による財産分与
2年
不法行為による損害賠償、慰謝料
離婚の慰謝料
請負代金
3年
家賃、地代
商行為による債権
退職金
消費者金融(サラ金)からの
借り入れ(5年ではない場合もあります)
5年
判決で確定した債権
個人間のお金の貸し借り
個人間の売買代金
10年


時効期間における注意点


養育費請求権などの扶養に関する請求権には、時効はありません。
ただし、金額や支払方法などの条件を定めている場合には、「確定給付債権」となり、各回の請求権が、個別に5年間の経過によって消滅時効にかかります。


銀行や信用金庫などの金融機関からの借入の場合、保証協会が代位弁済した債権については、代位弁済した時点で原債権が消滅し、新たな求償権という債権が生じます。

そして、その場合、信用保証協会は商人ではありませんが、当初の原債権者が銀行である場合には、商事債権として、消滅時効の期間は5年になります(最高裁 昭和42年10月6日 判決)。

ただし、原債権者が信用金庫や農協など、商人でない場合には、消滅時効の期間が10年となります(最高裁 昭和63年10月18日 判決)。


短期消滅時効の定めがある債権であっても、裁判における判決や和解が確定した債権の場合には、時効期間は、確定した日から10年となります。